引き上げへのアティチュード

引き上げへのアティチュード

ピラティスは引き上げに始まり引き上げに終わります。

バレエはもっと引き上げるのですが、動きが難しいため気を取られてしまい、基礎となる引き上げはおろそかなままレッスン数だけこなしている…というのはよくあるケースです。

ですので、複雑な動きは行わずまずは1つだけ。引き上げだけを練習してできるようになりましょう。
手足の動きはなしです。
それが体幹トレーニングです!(体幹とは四肢と頭部を除いた胴体部分です。)

引き上げの第一歩は、ごくごく単純に言葉で表すと「お腹が薄くなっている状態」だと思ってください。

肋骨と骨盤の間にある腹部は、内臓が入っていますが空間になっていますよね。
そこをぺったんこにへこませます。

太っていようと表面に載っている脂肪は関係ありません。
腹腔を陰圧にするのです。

ちなみに太ると身体感覚が鈍り、関節に負担がかかるので外科的にも痩せた方が良いです。
内科的な問題ももちろんたくさんあります。

話を戻します。

陰圧とは、空間から空気が抜けている状態。
ジップロック®とか、衣類圧縮袋のようなイメージです。

ですので、空気を吸ってお腹を膨らませることはありません。
それは腹圧が抜けて、お腹がゆるんだ状態です。
お腹を膨らますいわゆる腹式呼吸は、ピラティスやバレエでは一切出てこないのです。

お腹を膨らます呼吸はリラックスを促し、座っている時や寝ている時はそれが自然です。
ですがひとたび人が立った時にはバランスを取る必要が発生するため、立位には腹部の緊張が伴わなくてはなりません。
筋のテンションがないとバランスが取れないからです。
二足歩行、さらに片足/つま先立ちをする場合にはもっと緊張を高めていきます。

猫背、反り腰。どちらも腹部はぽっこりとゆるんでいます。
本来必要な腹部の緊張がない状態で立位を続けているため、筋肉で支えられない骨格が崩れていくのです。

そして残念ながら、立位に必要なこの腹圧の高さは、立位になったからと言って勝手にできあがるものではないのです。
筋の収縮が自動的に起こってくれれば何も考えずに済むのですが、かなり能動的に意識をしないとお腹は薄くなりません。
構造の問題もあり、この辺りはセッションで詳しく解説するのでここでは省きますが、とにかくオートマティックに筋力が使われて勝手に姿勢が良くなることはない、という人間の身体の前提条件を踏まえてください。

ピラティスをやってもバレエをやっても姿勢が良くならない(上手くならない)のは、その前提があるためです。
腹圧が抜けたまま何をしても、求める成果は出ません。

わたし自身、「ピラティスをすればバレエの先生みたいにお腹がぺたんこになるのかな〜」と思っていました。
実際にピラティスのインストラクターになってみて、全くそのようなことはありませんでした。
ぺたんこのお腹に「なった」のではなく、ぺたんこのお腹に「している」のです。
意識して、作為的に、故意に、そうしています。そうしないとすぐ抜けます。
とてもintensionallyです。

バレエも同じです。先生が繰り返し「お腹、お腹」と言い続けるのは、ご自身がそうやって腹圧を高めているからです。
意図せずお腹が薄くなることはないので、何をする時にも「お腹が抜けないように」と気をつけ続ける必要があります。


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プロでもそうなのですから、然りですね。

頭で考える必要があります。
あなたの脳を変えなければいけません。

(余談:肉体改造のためには意識改革が必要ですが、意識改革…。
それはあらゆるジャンルの教師にとって最も難関となるところです。
他人は変えられない、というのは身近な家族関係などでも分かるところですね。
さらに自分を変えることも難しいです。人間は、脳というのは変われない器官です。
安定状態/マンネリを求めるためです。)

さて、引き上げ(腹圧を高める)の練習は、呼吸の練習とセットになります。
やり方は…長くなってしまったので次に続きます!

今回も引き上げへのアティチュード(態度,心構え)で終わってしまいましたが、前置きがこれだけ長くなってしまうほどアティチュードはとても大切なのです。
手っ取り早くやり方と効果だけ追求しようとしても、前提条件を踏まえていないと闇雲にうやむやになってしまいがちです。

つづく。 「どこの筋肉を使っているんですか?」は質問自体に間違いがあるかも?


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ピラティス専門のブログ記事が好評をいただいており大変うれしく思います。
このブログでは日常を綴っていますが、↑こちらでピラティスの技術的なことがらに関する記事を書いています。

ピラティスにご興味のある方はぜひお読みください。

ポールスター・ピラティスは医療の専門家が解剖学に基づいてアレンジしたピラティスです。

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